『THE MERRY WIDOW』(2013年・月組・日本青年館) その2
この、『メリー・ウィドウ』月組公演は、このメンバーでなければ、表現できなかったと思います。このメンバーだからこそ、できた作品だなと思います。ダニロは5億フランを手に入れましたが、5億フランを手に入れるよりも、宝くじが当たるよりも、私はこのメンバーに会えたことがいちばんのご褒美で、宝物で、奇跡をいただけたんだなと心から感謝いたしております。
(『THE MERRY WIDOW』主演・北翔海莉の挨拶より)
▲みちこ様のはじけるような笑顔がステキ。
◎カーテンコール1回目
みなさま、本日は千秋楽をご観劇くださいまして、誠にありがとうございました。
専科の北翔海莉でございます。
えー連日、劇場にたくさんのお客様がお越しくださいまして、本当にあたたかい拍手、あたかいご声援があったから、こそ。みなさまのおかげで、今日こうして無事に千秋楽を迎えられたのだと、心から感謝いたしております。本当に、ありがとうございました。
この『メリー・ウィドウ』という作品、ウィーンでは100年前に代表作となった作品でございます。宝塚歌劇は来年100周年を迎えますが、その1年前にこの『メリー・ウィドウ』っていう作品は、もう代表に……代表作になっていたんだなと考えると、すごく歴史のある作品なんだなっていうことを感じました。
100年の歴史のなかで、さまざまな国でいろいろと上演されてきたからこそ、今この宝塚歌劇99周年のラストで私たちがどのように表現することができるか、とても、本当にハードルの高い……というかすごく、大変な課題を与えられたのだと……思いました。
で、お稽古の最初のほうは、たくさんの譜面と、「これはできないんじゃないか」というようなカンカンのアクロバティックな振り付けがほんとにたくさんついて、「だいじょうぶかな、これは初日にお客様にちゃんとお見せすることができるのかな」って思うくらい、本当に不安な日々がありましたが……。
でも、みんなが弱音を吐かず、常に前進し続けて、何かに夢中になってやっている姿を見て、自分もこの子たちにきちっと答えて作品をつくっていかなければならないなということを、すごく感じました。
えー、私は本当に……(笑いながらポン、とおどけて頭を片手で叩く)なんだか、いい加減な人間で。いやーなんかほんとによく失敗しますし、小道具もよく壊しますし(会場爆笑)、セリフも間違えますし、本当に……なんかあのー、頼りない真ん中の人間だったと思いますけれども、でも、このメンバーがいてくれたからこそ、無事にこうやって公演をすることができたんだなと、心から感謝いたしております。
この、『メリー・ウィドウ』月組公演は、このメンバーでなければ、表現できなかったと思います。このメンバーだからこそ、できた作品だなと思います。
ダニロは5億フランを手に入れましたが、5億フランを手に入れるよりも、宝くじが当たるよりも、私はこのメンバーに会えたことがいちばんのご褒美で、宝物で、奇跡をいただけたんだなと心から感謝いたしております。
(会場大拍手)
(とってもうれしそうに、にこにこ大きくうなずくみちこ様)
これから来年に向けまして、宝塚歌劇、ますます精進していかなければならない年になって参ります。今回の公演でいろいろと勉強して、引き出しがみんなのなかにできたと思います……できてくれたらいいな、うん。
私自身もまだまだ、芸の道は終わりがございませんので、もっともっと上を目指して、さらに宝塚歌劇が、みなさまにとって幸せな舞台をお届けできる劇団になりますように一生懸命今後とも精進して参りたいと思いますので、どうぞ来年からも、またよろしくお願いいたします。みなさま、本日は本当にありがとうございました!
◎カーテンコール2回目
ありがとうございます。いやいやいやいやいや、ありがとうございます!
みなさんの心に残る作品になっていただければ、それでもう幸せでございます。
宝塚の、100周年の歴史のなかで、この作品がちょっとでもみなさまの心に残っていただけるように、毎日精進して参りました。これからも、もっともっとみなさまの心に刻めるような作品を目指してがんばっていきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございました。
◎カーテンコール3回目
(スタンディングオベーション。客席から大歓声)
ありがとうございます。ありがとうございます。ひゃー……。
(あまりの歓声に言葉がしばし出てこないみちこ様)
あー、いやーどうしましょう? マギーさんどうしましょう?
(マギーさん「わたくし? なにか言う? 足上げますか、足? 足上げますよ」)
(みちこ様、それを見て大爆笑)
いやーほんとに。あ~~~(笑)、どうしましょうね?
(会場大拍手)
▲客席からの「みっちゃん最高!」の声に、片手で顔を抑えるみちこ様。
▲隣にいるかちゃの「さいこーう!」の掛け声に……。
▲さらに頭を深く深く垂れるみちこ様。
ありがとうございます。本当に、12月のお忙しいなか、みなさま本当にほんっとうに、連日お越しくださいましてありがとうございました。みなさまの……この愛を(涙をこらえながら)ちゃんと受け取って、これからも頑張りたいと思います。
(客席からの拍手にただただ、うんうん頷くみちこ様)
この作品をつくってくださいました演出家の谷先生、そしてスタッフの先生方、このような作品に出演させていただけて本当に幸せでございました。スタッフのかたがも、みなさん本当に支えて下さいまして、みなさまのこの支えがあるからこそ、こうして私たち舞台に立てるのだと思います。こうして奇跡を導いてくださって、守っていただいて、本当に幸せに思います。そして、出演者のこのメンバーとも出会えて本当に幸せでした。
でも! 今日でさよならじゃないので!(笑) 私、いろんな組に出ます!
(会場大拍手)
そして、また、あのご縁というものは本当に、必ずまた再び出会えるようになっております。今日お越しのお客様もまた、いつか、出会えるようになっております。なので、それを信じて、頑張っていきたいなと思います。このご縁に感謝して頑張っていきたいなと思います。本当にありがとうございました。
◎カーテンコール4回目
ありがとうございます。ありがとうございます。
暮れのお忙しいなか、わざわざお越しくださいまして、ほんっとにありがとうございます。えー本当に、私の大事な仲間を呼びたいと思います。みんなー!
(出演者集まる)
ほんとにあの、この稽古、正直苦しいことがいっぱいありました。本当にもうだめなんじゃないかって、肉体的にも。「もう足が上がらない!」っていう日がありました。それは私だけじゃなくて、みんなそうだったと思いますが、でもそんな弱みも見せずに、ほんとにみんなが一生懸命限界まで、やってくれたことが自分の励みになりました。
そしてお客様からいつもあたたかいお手紙、ご声援をいただいたこと、それがあっての今日だと思っております。本当に、本当にありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
(みちこ様、とびきりの笑顔で投げキッス×2回)
◎おまけ
▲みちこ様の後ろでじっと話を聞くみゆちゃん。
*みちこ様が「この子たちの頑張りに応えたい」と話すくだりで、すぐ後ろにいるヒロインの咲妃みゆちゃんが映るのですが、はらはらこぼれる涙をぬぐうでもなく、まっすぐに前を向いている姿が本当に美しくハッとさせられます。「頼りない主役だったかもしれない」というくだりで静かに、控えめに、でもきっぱりと首を振る姿も涙なしでは見られません。